Blenderで115系CG製作!(22) 座席周り
おはようございます。お久しぶりです、ふぇるとです。
今回は座席の続きを作っていきたいと思います。
前回まではフレーム部分と肘掛まで作ってきました。とはいえ一つ問題点があったことを覚えていますか?そうです。設計図にある概形とは形がだいぶ異なっている点です。
ということで、今回は、設計図通りにフレームを作るとしたらどうするかを紹介します。
それが書き終わったら、前回の続きでもやるつもりです。
では、早速、なるべく設計図通りに作るなら?という感じでやっていきましょう。ちなみに、設計図とはいえ、腰掛骨組(VB117881)の図面は持ち合わせがないので、一部の寸法は計算なり写真と照合するなりしてモデリングをしていきます。その点で、寸法に関しては前回までの方法とあまり変わりませんね?実測値が寸法値に変わっただけです。
問題は骨組みの構造です。一応設計図には骨組みの境目も書かれています。ただし組み立て結果を示す図のため、細かい部品の形などを既知のものとして扱っており、非常に見づらいです(これについては今までも同じ)。まあ、これは頑張るとして、とりあえず、これまでの部分までを作ってみましょう。
まず、結論から。
前回まででは、フレームの骨組み下図のように作りました。
今回は、そのパーツを下図のように細かく分けます。とはいえ、前回までの部分ということで、下図では骨組みといっても外枠部分のみのモデリングですけどね?
というわけで、作り方を説明していきましょう。この時点では肘掛はまだ作りません。
これらのパーツは一見すると5つに分かれているように見えますが、モデリングする際には、一つのものとして作ったものを分割するという方法が良さそうに見えますね?なぜなら、横から見た時に、下図のようになるからです。
このような場合、一回ミラーで作ったのちに「P」で分割していけば、横から見た時に形がズレてしまうことはないでしょう。さて、どう作っていきましょうか?
まずは、肘掛はない、といったように、少し簡略化して考えてみましょう。先ほどいった”重なっている”という点を考えるとわかるのですが、肘掛がないと考えた時、もともと肘掛がない側の骨組みと同じ寸法になるはずです。角度とかが。これを利用して、最後に”くりぬけば”なんとなく形になりそうですね?分割なんてその後でいいんです!
では、まず手始めに下のような平面を作っていきます。これは設計図や写真を重ねて、書かれている寸法通りにやっていけばいいです。とはいえ、ここに大きな落とし穴があります。
それが何かをいう前に、まずは下図をご覧ください。
この図はまあ、ざっくりした寸法の図なのですが、所々寸法を「?」で書きました。そうです。図から読み取ることの問題点はここです。
>>>寸法が書いてない部分がある<<<
あーもうお家に帰りたくなってきますね!
さて、この寸法はどうしましょうか?
まず、赤の「?」です。この部分はタンジェントの値を計算すれば大体の寸法がわかります。
一番上から肘掛の骨組みまでのパーツについて、
tan = {(85 - 30)/2} / 515 ≒ 0.053398
と計算できます。この時、「?」の値は
[?] = { (450 + 155) – (215 + 285 ) } *tan + 85/2
で求められます。計算していくと、
[?] = 105 * tan + 42.5 ≒ 48.106796(mm)
多分この寸法でうまくいくのではないでしょうか?(検算なんてしてないけど)
次に、いくつか図中に示した青い「?」についてです。結論から言うと、これはもう写真を重ねてくださいとしか解決方法がないですね…。まあ、それなので全部同じ色でまとめたんですけどね?
さて、話を戻しましょう。ここまでできたらまずは面を張っていないならば一回張っておきます。次に、下図のように椅子の幅の分だけ全ての頂点を「A」で選択し、「E」で伸ばします。
この状態では到底椅子には見えませんね(笑)
ここでお待たせしました。Booleanです!椅子のフレームの幅の分だけ一回り小さい立方体でも適当に作っておきます。そこでブーリアンを実行することで下のような形を作ることができます。
これでだいぶフレームらしくなりました。ついでなので、このタイミングで内側の面を消して断面がコの字形になるようにしておいてもいいですね!
次に、オブジェクトを下の図のように分けます。とはいえまずはどこで分けるか決める辺を作ります。まずは、
・一回面を消して張り直す
・ナイフツール(編集モード上で「K」を押す)を使う
などやりやすい方法でいいので、下図の赤い線の部分の辺を作っておきます。
注意点としては、辺だけは作ったけど、面が分かれていない状況になってないようにすることですね。
で、最後にPでオブジェクトを分ければ、まず第1段階はクリアですね!
続けて別オブジェクトとして下図のパーツを作ります。基本的にこのパーツは寸法がほとんど書いてないも同然なので、設計図と写真を重ねて、頂点の場所を探っていきます。作り方としてはまあ御察しの通り、立方体とミラーモディファイアで作っていきます。
まず立方体を用意して、先ほど作った部分のすぐ下に配置します。下の辺(面)はとりあえず後回しにして、上の辺(下図赤線)を設計図の寸法通りに配置します。この時、赤丸で囲んだ部分の頂点も平行移動させておいて構いません。
あとは図面や画像を下絵にしながら残りの頂点を配置し直せば終わりですね!
ちなみに、図面や画像を下絵にする方法は、第8回で既に紹介済みなので割愛します
肘掛はまだまだ後回しにしておいて、設計図通りの方の説明はこれに足を生やして今回は終わりにしましょうか。
足は簡単です。
立方体を上に伸ばします。(流石にこれで終わりではありませんが…)
下の面を少し上に移動させ、床上面から少し浮かせたのち「E」で元の高さまで進展させます。次にあと2回面を進展させることで下図のように固定する部分を作ります。これでおしまいです。
さて、設計図通りというのはここまでにして、前回の続きをやるための導入を今回はやって終わりにします。
前回脚までは作りました。次回作るのは、暖房のある部分の網になっている部分です。この文章で分からなくても、読み進めればわかると思います。
あの長方形の穴の開き方がどうなっているか、という話です。その規則性を考えます。結論を言う前に下のExcelの表(?)をまずお見せします。
この塗りつぶしている部分が穴の開き方だと考えれば全てスッキリしますよね?あとは穴の空いている個数を間違わなければいい話です。
作り方です。2通り(2.5通り)の作り方を考えることができます。
(i)-1面を消していく方法
利点:思った通りの頂点位置にできる・初心者でもわかりやすい。
欠点:くり抜くわけではないため面を補完しなければならない・めんどくさい
(i)-2面を消していく方法(面を消したのちに厚みつけ)
利点:思った通りの頂点位置にできる
欠点:めんどくさい
(ii)ブーリアンを使う
利点:面が足りるか足りないかなどを考えなくていい
欠点:ブーリアンをやるまでがめんどくさい。
まあ、次回はこの3通りのやり方を紹介していこうかなと考えています。ちなみに私は、これを作った当時、厚みつけとかブーリアンをよく使っていたわけではないため、(i)-1で作っています。一方で私は(i)-2の方法をオススメしていくつもりです。
さて、今回はいつもより1000字増量キャンペーン実施、ということでお送りしました!
次回は予告通り、網の部分を作っていきます。もしかしたら、ついでに設計図通りの方の続き(肘掛?)をやるかもです。
では、また次回はどこかのタイミングでの更新になると思います。月曜or木曜というのは変えないつもりなのでご安心ください(?)
ではまた次回お会いしましょう!